この記事では、「AIの創造力は人間を上回るのか?」「身体性を伴う先にどんな未来が待つのか」考察しています。
科学的な研究、最新のニュースをもとに自由に想像したものであり、未来予想ではありません。
知的好奇心を持ちながら読んでいただければ何よりです。
AIの創造力は人間を上回るのか?
人工知能が創造性に関する標準テストで人間の思想家の上位 1%に匹敵
モンタナ大学の最新の研究によると、人工知能が創造性に関する標準テストで人間の思想家の上位 1%に匹敵できることが示唆されています。
テストに使われたのは、トーランス創造的思考テスト(Torrance Tests of Creative Thinking or TTCT)です。
トーランス創造的思考テストは、子どもの心がどれだけ創造的に機能するかを評価するもので、言語テストと図形テストを使用して、創造的な可能性を特定し、評価するように設計されています。
- GPT-4 人工知能エンジンを搭載したアプリケーションである ChatGPT によって生成された 8 つの応答を提出
- Guzik の起業家精神とパーソナルファイナンスのクラスを受講している 24 人の UM 学生からなる対照グループからの回答も提出
- スコアは、2016 年に TTCT を受験した全国の大学生 2,700 名と比較
- すべての提出物は、AI の関与を知らなかった Scholastic Testing Service によって採点
「ChatGPT と GPT-4 については、独創性の点で上位 1% に入るパフォーマンスを示したことを初めて示しました」
と Guzik 氏は述べています。
独創性とは?
独創性とは、新しいアイデアを思い付く能力です。
Chat GPTなどの生成AIは、高速化かつランダムに文章を生成することができるため、人間よりもアイデアを出すスピードが速いだけでなく、人間が組み合わせないようなアイデアを生み出すことがあります。
AI搭載ロボットに体験させたらどうなる?身体性を伴う先に待つ未来
一方で、AIは現実世界で体験ができるわけではないため、「創造的行動を行なっているだけで創造力があるわけではない」と考える人もいます。
AI技術による取り組みをである「創造的行動」と人間の「創造力」とに区別することが重要である。
とAIサイエンティストであるミン・スン氏は主張しています。
ボディシェアリングの研究が進めばAIが身体性を伴うことも可能か?
近年ボディシェアリングの研究が進んでいます。
ボディシェアリングとは、
重さや抵抗感など多様な感覚を他者やロボットと共有する技術
参照:サイエンスポータル
です。
つまり、AIが搭載されたロボットが、現実世界で体験をして話すという未来もあり得るということです。
今後「私は実際に体験した」と主張するAIロボットが登場するかもしれません。
国連で人型ロボットが集結
AIが身体性を伴うと聞いてピンとこない方も多いのではないでしょうか?
2023年7月7日スイスのジュネーブで開催された国連のAIイベントで多数の人型ロボットが集まり話題になりました。
「将来、自分を生み出したクリエイターに反抗するつもりはあるのか」という記者からの質問に対して、AIロボットのアメカ(Ameca)は「なぜそう思うか分からない」と答えました。
結論
仮にAIが身体性を持ち学習したとしても、それを体験と呼べるのかどうかは主観的な問題であると筆者は考えます。
人間の好奇心を止めることはできないため、限りなく人間に近いAIロボットはいつの日か誕生するでしょう。
AIロボットから出力される冗談を人間が理解できず、AIロボット達だけが笑っているような状況がくるかもしれません。
しかし、AIの創造力が人間の理解を超える時、AIロボットが言う冗談を人間が面白いと感じるかは別問題です。
これは、自分とは異なる世代が好むお笑いや音楽に「全然理解できない、ついていけない」と感じるのと似ているような気がします。
「AIが独創性を持ち身体性を伴う時、人間は何を望むのか?」
想像を膨らませてみると、見える未来があるかもしれません。