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AIで作成したイラストに著作権はあるのか?日本の法律と判例を調査

「AIで作成したイラストに著作権はあるのか?」

日本の法律と判例を調査しました。

お急ぎの方向けに結論から言うと

  • 結論:AIが自動生成した画像に著作権はないが、プロンプト(入力した文章)に著作権が発生する可能性がある
  • 根拠:日本の法律(著作権法:第二条)
  • 現状:アメリカとイギリスで訴訟が起きている
  • 判例:なし

※筆者は法律の専門家ではありません。
※内容は記事執筆時点(2023年4月21日)

詳しく紹介していきます。

目次

AIで自動生成したイラストに著作権はない

画像出典:AI生成画像 著作権 日本 – Google 検索

記事執筆時点では、AIで自動生成したイラストに著作権はないという意見が主流でした。

しかし、骨董通り法律事務所 For the Arts の所属弁護士である井出 甫(いで はじめ)氏はインタビュー記事で、

1〜2単語のプロンプトが著作権で保護されることはないと考えていいと思います。

「独自の考え方のもとで単語を組み合わせて、それが3〜4行になっている」となると、著作権は発生している可能性はあると思います。

と発言しています。

これは、プロンプト(AI画像を生成するのに入力する語句)には著作権が発生する可能性があるという解釈です。

著作権がないとはどういうことか?

AIで作成した画像

AIで自動生成したイラストに著作権がないとは、つまり著作権フリーの状態です。

著作権フリー(ちょさくけんフリー、英: Copyright free)とは、文字通りに解すれば、著作物に著作権が存在しない状態、あるいは放棄された状態のことである[1]。しかし、少なくとも日本では利用規約範囲内で断りなく使用できるという意味であり、権利放棄されたものではないとも指摘される言葉である[2]。英語では、この問題を認識したうえでcopyright freeと表現した著物がある

参照:著作権フリー – Wikipedia

つまり、分かりやすく言うと、あなたがAI生成画像ツールを使って作成した画像の権利を持たないということです。

通常であれば、創作した時点で著作物となります。

参照:著作者の権利の発生及び保護期間について | 文化庁

根拠:日本の著作権法では著作物は思想又は感情を創作的に表現したもの

著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。

参照:著作権法 | e-Gov法令検索

現状:日本で訴訟は起きていないが、海外では訴訟が起きている

筆者が調べた限りでは、AI画像生成ツールに関する訴訟は現在起きていません。

しかし、海外では訴訟で問題になっています。

AI画像生成ツール関連の訴訟

米国の集団訴訟(カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所に訴訟)

米国の会社Cisionによると、ジョセフ サヴェリ法律事務所 LLPが提供した情報から

Stability AI、Midjourney、DeviantArt に対して、DMCA 違反、パブリシティ権違反、違法競争、TOS 違反で集団訴訟を提起

報道

  • アーティストの同意なしにAIが著作権で保護された画像でトレーニングされた
  • AI映像作品はアーティストの権利を侵害するだけではない
  • これらの製品はキャリアパスとしてのアーティストを排除する
  • 法律の範囲内で音楽のストリーミングを実現できるのであれば、AI 製品も同様

と主張しています。

英国のGetty Imagesの訴訟(ロンドンの高等裁判所で法的手続きを開始)

ゲッティ イメージズが所有または代表するコンテンツの著作権を含む知的財産権をスタビリティ AI が侵害していると主張して、スタビリティ AI に対してロンドンの高等裁判所で法的手続きを開始しました。

参照:Getty Images Statement – Getty Images

まとめ:利用は自己責任

以下、まとめです。

  • 結論:AIが自動生成した画像に著作権はないが、プロンプト(入力した文章)に著作権が発生する可能性がある
  • 根拠:日本の法律(著作権法:第二条)
  • 現状:アメリカとイギリスで訴訟が起きている
  • 判例:なし

弁護士の助言を参考にすると、第三者のプロンプト(指示)を許可を得ずに使い、画像を生成するのは控えたほうがいいかもしれません。

AI画像生成ツールに著作権はあなたに帰属すると記載されている場合もありますが、そもそも学習データにアーティストやクリエイターの著作物が使われている場合、出力した画像の著作権が問題になる可能性があります。

著作権の問題は、一言で片付けるのが困難です。これは人間同士でも問題になります。

利用したいが不安という場合、サービス運営会社や弁護士などに相談するのがよいでしょう。

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