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世界幸福度ランキング上位国の共通点と課題5つ

グローバル化が進み世界共通の課題が浮き彫りになった今、「幸せな国の共通点は何?」「幸せな国にも課題はあるはず」と考えている方も少なくないのではないでしょうか。

幸せだと感じる人が増えれば、社会全体がより良い方向に向かう可能性が上がるはずです。

この記事では、世界幸福度ランキング上位国の共通点と課題を5つ紹介しています。

決して簡単な道のりではありませんが、未来に希望を持ちたいと願う方の参考になれば何よりです。

目次

幸福度ランキングとは

世界幸福度ランキングは、国連の関連機関が世界幸福度報告(World Happiness Report)で発表している世界各国の幸福度をランキングしたものです。

World Happiness Report 2023によると通常、各国ごとに毎年約 1,000 件の回答が収集。

  • 平均寿命
  • 肯定的感情(幸せ、笑顔、喜び)と否定的感情(心配、悲しみ、怒り)の両方の体験の有無
  • 6つの指標(一人当たりの GDP、社会的支援、健康寿命、自由度、寛大度、腐敗度)

から幸福度を判断していると記載されています。

世界幸福度レポートは、さまざまな財団の支援により成り立っており、個人の立場で活動する独立した専門家のグループによって書かれているため、このランキングが絶対的なものではありません。

しかし、上記の調査に基づいて行われているのであれば、世界的な課題を解決する際に参考になることもあるはずです。

世界幸福度ランキング上位の共通点

世界幸福度ランキング上位を調査した結果、幸福度が高い国は、政治が信頼され機能していること、他者の権利に寛容な国民の意識が共通していると筆者は感じました。

これらの国では、汚職が少なく政治の透明性が高いため、国民の不満が出にくいです。

それ以外にも、幸福度が高い国は、教育の平等性が高い傾向にあります。

具体的には、大学が無料である場合が多く、高いレベルの教育を受けやすい仕組みになっています。

以下は幸福度トップ10の国の特徴を独自にまとめたものです。

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順位国名言語政体政治議会大学
1位フィンランドフィンランド語
(スェーデン語)
共和政民主主義一院制 国立大学無料
私立大学無料
2位デンマークデンマーク語立憲君主制民主主義一院制 大学無料
私立大学はない
3位アイスランドアイスランド語共和政民主主義一院制 国立大学無料
(登録料:ISK 75,000/年間)
4位イスラエルヘブライ語共和政民主主義一院制大学は公立が多い
5位オランダオランダ語立憲君主制民主主義二院制公立、私立ともに無料が多い
6位スウェーデンスウェーデン語立憲君主制民主主義一院制国立大学無料
私立大学無料
7位ノルウェーノルウェー語
(サーミ語)
立憲君主制民主主義一院制 公立大学無料
8位スイスドイツ語
フランス語
イタリア語
ロマンシュ語
連邦共和制民主主義二院制
一部大学で無料
(州が管轄)
9位ルクセンブルクルクセンブルク語
ドイツ語
フランス語
立憲君主制民主主義一院制無料
(登録料:200 ユーロ/1学期)
10位ニュージーランド英語
マオリ語
ニュージーランド手話
立憲君主制民主主義一院制 有料
(8大学のみ)

※学費は現地に住んでいる場合、留学の場合国による
※最新の情報は各国が提供しているものをご確認ください

世界幸福度ランキング上位国の課題

一方で世界幸福度ランキング上位国には、以下のような課題があります。

  1. 失業率が高い
  2. 高齢化による保険・介護費用の増加
  3. 年金の財源の確保
  4. 若者の孤独化
  5. デジタル化によるセキュリティの懸念

それぞれ具体的に解説していきます。

失業率が高い

幸福度が高い国のトップ3であるフィンランドの失業率は6.78%、デンマークは5.1%、アイスランド3.4%(2022年、IMF)です。

日本の失業率は2.3%(幸福度47位)やアメリカは3.8%(幸福度15位)と比べると失業率が高いことが分かります。

働きたいのに働くことができず、GDPが低下し、所得が低下している人々がいるということです。

参照:World Economic Outlook (April 2023) – Unemployment rate

高齢化による保険・介護費用の増加

例えば、フィンランドでは高齢化により社会保障費が増大しています。GDPに対して42.1%(外務省、2020年)など国民の負担が大きいです。

これは、少子高齢化が課題となっている日本の状況と似ているかもしれません。社会保障費をどの世代が負担するのかという議論は今後も続くでしょう。

年金の財源の確保

少子高齢化が進む国では、年金制度の財源についての関心が年々高まっています。

フィンランドには、平均余命が延びると、余命係数により毎月支払われる年金が減るなどの仕組みがあります。

デンマークでは、1970年代に大きな反税運動がありましたが、税制の透明性が高まったことで増税に対して国民の理解を得ることができたと言われています。

若者の孤独化

また、SNSで他者と比較してしまうことからくる若者の孤独化が問題になっています。

新しい技術が生活を便利にし効率化するのは確かです。

しかし、その中で社会的に孤立する人に対してどう対応するのかも併せて考えていく必要があります。

デジタル化によるセキュリティの懸念

幸福度の高い国はデジタル先進国であることが多いです。

例えば、フィンランドは1960年代から個人識別番号(個人ID)が導入され歴史が長いです。

しかし、デジタル化によるセキュリティの懸念なども問題になっています。

常に新たな脅威は出現するため、利便性を享受しつつも、新たな被害者が出ないような仕組みが求められています。

まとめ

この記事では、世界幸福度ランキング上位国の共通点と課題を解説しました。

以下、共通点と課題をまとめたものです。

共通点課題
政治が信頼され機能している
他者の権利に寛容な国民の意識
大学が無料もしくは安価
高齢化による保険・介護費用の増加
若者の孤独化
デジタル化によるセキュリティの懸念

インターネットが普及しあらゆる情報を知ることができるようになった今、幸福度が高い国を参考にすることで、新たな気付きが得られるかもしれません。

※2023年7月2日投稿

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