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思うと考えるの違い|使い分けを例文付きで解説

「思う」と「考える」の違いは何か?

  • 使い分け
  • 例文
  • 意味と特徴
  • 辞書的な意味

を分かりやすく解説しています。

「思う」と「考える」の違い

「思う」が直感的で一時的な思考であるのに対して、「考える」は論理的に分析します。

よって、「思う」と「考える」の違いは、対象の捉え方と継続性と言えるでしょう。

「思う」と「考える」の使い分け

一般的に、「思う」は、自分の感覚や印象を表現するために使うのに対して、「考える」は自分の意見や筋道を立てた考えを表現するために用います。

  • 直感的に表現したい場合は「思う」
  • 論理的に表現したい場合は「考える」

と使い分けると考えると分かりやすいです。

(例)学校のテストで答えを考えると表現するのは適切ですが、答えを思うとは通常使いません。

日常会話での使い分け

「思う」と「考える」の日常会話での使い分けを紹介します。

「〜と思う」は対象を判断する際に使える

日常会話においては、「〜と思う」は対象を判断する際によく使います。

例えば、以下のような会話です。

A:「今日は晴れかな?」
B:(曇り空を見ながら)「雨が降ると思うよ」

この例では、物事を経験や感覚で直感的に判断していることが分かります。

「考える」は時間が欲しい時に使える

一方「考える」は、質問に対して時間が必要な場面で使うことが多いです。

例えば、以下のように使います。

「今考え中です」
「考えるので、少し時間をください」
(次までに)「考えておきます」

「私は〜だと考える」は日常会話であまり使われない

「私は〜だと考える」「私は〜だと考えます」はややかしこまった表現で、格式ばった印象を相手に与えるため、日常会話ではあまり使われません。

「私は〜だと思う」、「私は〜と思っています」などカジュアルな表現が好まれます。

「思う」は必ずしも直感的な表現というわけではない

「思う」は、現状や今後のなりゆきについて判断する際に使う場合があることも覚えておきましょう。

考えた結果「〜だと思う」と使う場面も多く、「思う」が必ずしも直感的な表現というわけではありません。

意味と特徴

前述した通り、「思う」が思考の対象を直感的に捉えるのに対して、「考える」は思考の対象を論理的に捉えます。

そのため、「考える」はより分析的で知的な特徴を持ちます。

「思う」と「考える」の意味と特徴を表にまとめると以下のとおりです。

思う考える
意味心に浮かべる
心が引かれる、または心が対象に働く
感覚的に、または結論として、…だと感じる
あれやこれやと思いをめぐらす
知的に判断する
新たなものを考案する
特徴どちらかと言うと主観的で感情的
自分の感覚や印象を表現するのに用いられることが多い
論理的で知的に分析
自分の意見や考えを表現するのに用いられることが多い

「思う」と「考える」の例文

「思う」例文

  • 明日は晴れだと思う。
  • よかれと思ってやった事だ。
  • 結果を不満に思う。
  • 親を思う。
  • 昔を思う。

「私は彼のことが好きだと思う」「この映画は面白いと思う」のように使うことも可能ですが、通常「思う」を省略します。

「考える」例文

  • 雨が降る可能性を考える。
  • 今晩の献立を考える。
  • 人の立場を考える。
  • あと先を考えずに。
  • 質問の答えを考える。
  • 新しいデザインを考える。
  • 未来について考える。
  • 将来のことを考える。

「思う」と「考える」の辞書的な意味

「思う」の意味

1.外界からの刺激を受けてなんらかの感覚が生じたり 情意をいだいたり する
2.経験や感覚に頼ったり 状況を分析したりして 現状や今後のなりゆきについて判断する
3.そのものに絶えず心が惹かれる

新明解国語辞典(第八版)

※情意(じょうい)は感情と意志を意味する言葉

「考える」の意味

1.すでに得た経験や知識を基にして、道の事柄を解決(予測)しようとして、そのことに精神を集中する
2.今後どのようになるかについて思いをめぐらす
3.新しいものを作り出す方法やよりよい方法をおもいつく

新明解国語辞典(第八版)

参照文献

  • Oxford Languages
  • 新明解国語辞典(第八版)