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藁人形論法(ストローマン手法)とは?具体例でわかりやすく解説

藁人形論法は、相手が提案した議論の内容を、意図的に誤解して、それに反論する論法のこと。この論法は、相手の主張を藁人形のように作り上げ、それに反論することから、このように呼ばれています。

同義語:ストローマン手法、藁人形論法、案山子論法(かかし論法)

読み方:わらにんぎょうろんぽう

目次

藁人形論法(ストローマン手法)の仕組み

典型的な藁人形論法の仕組みは以下のとおりです。

  1. 相手の命題を別の命題に密かに置き換え(すなわち「藁人形を立てる」)。
  2. 相手の命題の代わりにその偽の命題に続いて反論する(「藁人形を倒す」)ことで反論または敗北したかのように錯覚させる。

※命題とは、簡潔に言うと、客観的に正しいか、正しくないかを判断できる文章のこと。

藁人形論法の例

  1. 相手の言葉を文脈を無視して引用する。
    • 相手の意図を誤って伝えるような引用を選ぶ。
  2. ある立場を不当に擁護する人物を擁護者として提示し、その人物の主張を否定する。
    • その立場(ひいてはその立場そのもの)の支持者がすべて敗北したかのように見せる。
  3. 相手の議論を過度に単純化し、その単純化されたバージョンを攻撃する。
  4. 相手の主張を誇張し(時には著しく)、その誇張されたバージョンを攻撃する。

具体例

例1

SNSで記事の一部を引用し、誤解を与えるような内容を拡散することで相手の意見が間違っているかのように見せる。

例2

  • A「もっと家事を手伝ってほしい」
  • B「全部自分がやるってこと?」
    • 藁人形を立てる:家事を全て自分がやることを要求していると意図的に単純化して解釈
  • B「自分は何もしなくても良い」と主張

藁人形論法を使うと、BはAの主張を過剰に解釈して、自分が何もしなくても良いという極端な主張に持ち込みます。

実際のパートナーの主張は負担の分担と協力を求めているだけであり、知的誠実さに欠ける行為だと言えるでしょう。

藁人形論法の英語表記

英語表記:A straw man fallacy

 straw:乾燥させた穀物の茎(dried stalks of grain, used especially as fodder or as material for thatching, packing, or weaving)
 fallacy:誤った信念、特に不健全な議論に基づく信念(a mistaken belief, especially one based on unsound argument)

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