「事実と現実の違いは何か?」
事実と現実は似たような意味を持つ言葉のため、混同されることがありますが、それぞれ異なる概念を表しています。しかし、事実は現実でもあるため、その違いがよく分からないという方もいるのではないでしょうか。
本記事では、事実と現実の違いを表を使って分かりやすく解説。
使い分けを例文を用い紹介しています。
事実と現実の違い
事実と現実の主な違いは、客観性と経験の有無です。
事実は、第三者によって客観的に検証することが出来るのに対して、現実は主観的で様々な解釈ができるため、私たちの認識や経験、信念に影響されます。
事実は過去の出来事を含むのに対して、現実は今目の前で現れている出来事や状況が中心です。
具体例で分かりやすく解説
例えば、8月に花火大会が開催されるとします。
花火が打ち上げられるのを見たり、「ヒュ〜・・・ドン」と音を聴いたりするのは、直接経験し、感じることができる現実です。
しかし、現実は常に変化しています。
打ち上がる花火は、瞬時に色や形を変えるため、普遍的ではありません。
家に帰り、シャワーを浴びながら花火大会を思い出す時、「いい花火大会だった」「最高だった」など、現実を主観的に様々な解釈で捉えます。
同時に、人々は事実として出来事を記憶するため、花火大会という事実は、物的証拠や証言などから客観的に検証することが出来ます。
事実と現実を比較した表
比較項目 | 事実 | 現実 |
---|---|---|
意味 | 現実に存在するまたは過去に存在した 出来事や状況 | いま目の前に事実として現れている 出来事や状態 |
特徴 | 客観的で検証することが出来る 証拠と観察に基づく 普遍、永続的 | 主観的で解釈は様々 私たちの認識、経験、信念に影響される 常に変化 |
事実と現実の違いと使い分け
事実と現実はどちらも抽象的で複雑な概念ですが、相手に正しく情報を伝えたい場合は、使い分ける必要があります。
しかし、使い分けは簡単です。
事実は、客観的で検証できるものに対して使うことを覚えておきましょう。
事実の例文
- 隠された事実が明るみに出る。
- 彼が事実上の管理者です。
- 事実に基づいて書いた作品はノンフィクションです。
- 容疑者が事実を認めた。
以下は、事実を含む言葉の例文です。
- それは根拠が無く、事実無根である。
- ふたりは結婚届を提出していないが、実質的には夫婦としての生活を営んでいるから事実婚である。
現実の例文
- 現実を見る
- 現実を直視する
- 現実では(には)あり得ない
- 夢で見たことが現実に起きた