2023年4月21日、米マイクロソフトのブラッド・スミス副会長が来日し、Chat GPT(会話型AI技術)をめぐり自民党のデジタル社会推進本部の役員と意見交換したと多くのメディアで報じられています。
TBS ニュース | 【独自】マイクロソフト副会長が極秘来日、ChatGPTなどで自民議員と意見交換(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース |
FNNプライムオンライン | マイクロソフト副社長 自民党と“GPT”議論|FNNプライムオンライン |
本記事では、なぜマイクロソフト副会長が来日したのか?目的と理由を考察しています。
マイクロソフト副会長が来日
上記動画では、ブラッド スミス氏が車に乗り込む様子が紹介されています。
自民党(初代デジタル大臣)の平井卓也氏は、
米国マイクロソフト社のブラッド・スミス副会長兼プレジデント、日本法人の津坂美樹社長ほか同社幹部の皆さまと、デジタル本部役員との懇談会を実施しました。詳述は避けますが、特に、AI、サイバーセキュリティ、ガバメントクラウドに関して有意義な意見交換ができました。
参照:Twitter
と報告しています。
ブラッド スミスとは
ブラッド スミス(Brad Smith)は、マイクロソフトの副会長兼社長です。この職務において、スミスは法務、政策渉外の専門家チームを指揮しています。
元々、法律事務所に勤務しており、マイクロソフトには1993年に入社。最初の3年間はヨーロッパの法務及び政策渉外チームを率いた後、2002年マイクロソフトの法務顧問に任命されました。
@bradsmi | |
https://www.linkedin.com/in/bradsmi |
マイクロソフトと聞くと創業者のビル ゲイツが有名ですが、2020年3月13日に取締役会の会長を辞任しています。
マイクロソフト副会長が来日した目的
マイクロソフトのブラッド・スミス副会長が来日した目的は、下記の2つです。
- Chat GPTの利便性や正確性をより高めるためのデータセンターの拡充を宣言
- Chat GPTのセキュリティー対策などについて意見交換
※ニュースで報じられている内容
1.Chat GPTの利便性や正確性をより高めるためのデータセンターの拡充を宣言
Chat GPTは、日本からの利便性が低いことや情報の正確性について問題視されていました。
具体的には、
- 日本語の表示が遅い
- 虚偽の回答を生成する
ことが挙げられます。
日本にデータセンターを拡充した場合、通信速度の向上が期待されます。
2.Chat GPTのセキュリティー対策などについて意見交換
Chat GPTは、セキュリティー対策が問題視されています。
具体的には、
- 機密情報のハッキングに使われる
- 悪意のある行動による風評被害
などが挙げられます。
具体的にどんなセキュリティー対策がされるかは現時点で不明です。
なぜマイクロソフト副会長が来日したのか?理由2つ
マイクロソフトのブラッド・スミス副会長が来日した理由を考察しました。
- マイクロソフトはChat GPTを開発したオープンAI社に出資していて政府内から人権侵害やサイバー攻撃のリスクなどの課題が指摘されているから
- 競合他社がデータセンターを日本で開設したことに対する対抗しているから
※マイクロソフトが明言した内容ではありません。
理由1.日本政府内から人権侵害やサイバー攻撃のリスクなどの課題が指摘されているから
Chat GPTは偏見(バイアス)が指摘されていいます。
- 特定の政治家について偏見を持っている
- 著名人のプロフィールを聞くと虚偽の回答を生成する
ことから、サービスに対する信頼性を回復させたいという狙いがあったと考えられます。
理由2.競合他社がデータセンターを日本で開設したことへの対抗
GoogleやAmazonが日本でデータセンターを拡充しています。
通信速度が遅いとユーザーはサービスから離れてしまうため、競合他社に対抗したという可能性が考えられます。