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G7のAI活用の5原則とは?日本国憲法を参考に内容を考察

G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合が2023年4月29日に開幕。

技術革新とリスク管理のバランスの取り方を議論。技術革新を妨げない機動的で柔軟な規律が必要との考え方で一致し、5原則で合意しました。

本記事では、日本国憲法やニュースなどを参考に、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合で合意されたAI利活用の5原則について考察しています。

※最新の情報は、政府など公的機関が発信する情報をご覧ください。

目次

G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合まとめ

  • G7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)が会合
  • ウクライナ、G20議長国のインド、ASEAN議長国のインドネシア、欧州委員会も参加
  • 急速に進化するAIなどに関して議論を継続し適切なルール作りが必要という認識を共有
  • 日本が4年前に提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」の具体化も協議
  • AI利活用の5原則(法の支配、人権尊重、適正な手続き、民主主義、技術革新の機会)に合意
2023年4月30日共同声明をまとめる
2023年5月19日〜21日G7広島サミットの議論に反映

私たちは皆ここにいます。日本で開催されたG7デジタルテックミーティングは、大きすぎて単独では解決できない問題についての協力を強化するためのものです。

この驚異的なテクノロジーを信頼して最大限に活用できるガードレールを早急に設計してください。

とデンマーク人女性で欧州委員会の副委員長であるマルグレーテ・ベステアー氏はツイートしています。

G7、AI活用の5原則とは?

産経新聞に報道によると、G7が発表したAI利活用の5原則とは

法の支配、人権尊重、適正な手続き、民主主義、技術革新の機会の活用の5つ。

です。

1.法の支配

法の支配とは、君主・国王などによる「人の支配」をやめて, 法にのみ支配されるべきであるとする原則のこと。

簡潔に言うと、AIは人ではなく法律が支配すべきという原則です。

2.人権尊重

簡潔に言うと、法のもとで全ての人が平等に人としての権利を尊重されるべきという原則です。

参考になる憲法

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

3.適正手続き

簡潔に言うと、法律の定める手続きを行うという原則です。

参考になる憲法

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

4.民主主義

民主主義とは、人民が権力を握り、それを自ら行使する政治原理、政治運動、政治思想である。

簡潔に言うと、物事をみんなで決めようという考え方です。

ロシアや中国など権威主義国に対し、G7としてのAIに関する規律のあり方を示したものと報道されています。

対義語:権威主義

権威主義とは、権威をたてにとって思考・行動したり、権威に対して盲目的に服従したりする個人や社会組織の態度を指す。政治学においては、権力を元首または政治組織(政党など)が独占して統治を行う政治思想や政治体制のことである。

5.技術革新(イノベーション)の機会の活用

AIは、経済成長や気候変動に対応できる有用な技術であることから、有効活用されています。

簡潔に言うと、規制するだけでなく技術が急速に進歩する機会と考える原則と言えるでしょう。

国際基準として実効性のあるガイドラインを作ることはできるのか?

拓殖大学国際学部教授の佐藤丙午氏は

各国毎に異なる法規制の制度や、規範の解釈の差などを考えると、実効性が確保されると期待することはできないだろう。そもそもG7での合意は、法規制の共通化を前提としたものではない。

Yahoo!ニュースのコメント欄で指摘しています。

昨今、世界で起こる問題に対して、地域や国境を越えて問題を解決するグローバルガバナンスという言葉を聞く機会も増えましたが、AIも一国だけの問題ではありません。

今後どのようにバランスを取っていくのか、引き続き注視していきます。

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参照リンク

ほうのしはい【法の支配】 | ほ | 辞典 | 学研キッズネット
日本国憲法 | e-Gov法令検索
民主主義 – Wikipedia
権威主義 – Wikipedia

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