OpenAIのチャットサービス「Chat GPT(チャットGPT)」とGoogleの会話型AIサービス「Bard(バード)」の違いを徹底調査。
公式サイトのサービス内容だけでなく、エンジニアや研究者、実際に利用したユーザーの口コミ、筆者の体験をもとに、どちらのAIを利用すべきか解説しています。
結論から言うと、GoogleのAI Bard を利用した方がよいと個人的に考えています。
記事内で、その根拠と理由を解説していくので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
Chat GPTとBardの違い
Chat GPTとBardの主な違いは、「情報の提供方式」と「情報の新しさ」です。
Chat GPTを開発するOpenAIの公式サイトでは、ChatGPTについて下記のように説明しています。(翻訳)
会話形式でやり取りする ChatGPT というモデルをトレーニングしました。 対話形式により、ChatGPT はフォローアップの質問に答えたり、間違いを認めたり、間違った前提に異議を唱えたり、不適切な要求を拒否したりできます。
出典:ChatGPT
記載されている通り、情報に正確さは保証されていません。
プラグインを利用することでリアルタイム検索ができるようになりましたが、有料版に登録する必要があります。
公式サイトや有識者の意見をもとに、Chat GPTとBard の違いを表にしました。
比較項目 | Chat GPT | Bard |
---|---|---|
一般公開日 ※米国時間 | 2022年11月30日 | 2023年3月21日 |
運営 | OpenAI | |
搭載AI ※言語モデル | GPT-3.5を基に構築 | LaMDA(ラマダ) |
特徴 | 対話形式で学習 | 対話形式で学習 |
情報の新しさ | ||
情報の正確さ | ||
料金 | 基本無料 有料版:20ドル/月 | 無料 |
アクセス制限 ※混雑時 | あり | なし |
対応地域 | ほとんどの国で利用可能 | 230カ国以上 (日本からも利用可能) |
日本語 | 対応 | 対応 |
詳細 | 詳しくみる | 詳しくみる |
※Bardが日本語に対応したのは2023年5月10日(米国時間)
※回答を生成する速度は、利用者が多く混雑する時間帯だと遅い傾向にあります
実際に利用したユーザーを調査
Chat GPTとBardを実際に利用したユーザーの声を集めました。
Chat GPTを利用したユーザーの口コミ
- 微妙に間違ってるけどAIチャット恐るべし
- 会話したみたけど微妙
Bardを利用したユーザーの口コミ
- 最大の違いは、情報鮮度。情報もChat GPTよりBardの方が正確
- Bard、回答をまとめて出してくれるから回答完了速度だと、Chat GPT plusと比べても早い気がする
- 反応は遅い
#1調査(2023年5月11日)
参考までに、デモ段階のBardとChat GPTを比較した文章に対するユーザーの声を紹介します。
さて、2つの #AI マシンの比較は、それほど単純ではありません。どちらの答えも機械としては驚くべきものです。しかし、質問は発見を問うたのであって、能力を問うたのではない。その点では、#Bardの回答の方が的確です。
そして、#ChatGPT は少し饒舌で、説明しすぎだと思う。
※2022年2月時点の比較
ChatGPTは、9歳というJWSTを知らない可能性が高い人に、包括的に答えてくれるので、この例ではベターだと思います。
#1リリース当時の調査
2023年2月、テストに参加したユーザーがいるかどうか日本語圏、英語圏どちらも調べましたが、残念ながら確認できませんでした。
Googleは、一般公開前に一部のユーザー対象に新機能を提供することがありますが、選ばれる人は信頼性が高い人です。
正式リリース前のサービス内容を公開(情報をリーク)する人がいないのかもしれません。
Chat GPTとGoogleのAI Bardどちらを利用すべきか?
冒頭でも述べた通り、どちらを使うか迷う場合は、GoogleのAI Bard を利用した方がよいと感じます。
体験談をもとに理由を解説していきます。
Chat GPTは高性能だが、問題点も多い
アメリカの大学の研究「GPTが司法試験に挑戦」によると、「GPTの性能が低いのは、学習データに含まれていなかったり、その後の学習で削除された知識体系に対応している可能性がある」と分析されていましたが、GPT-4は大幅に性能が向上し話題となりました。
筆者は、Chat GPTの有料版に加入し、GPT-4を1ヶ月使いましたが、同時に下記の不満がありました。
- 情報の正確性
- アクセス制限
- スピード
- 偏見
「使い勝手がもう少し良ければ」という印象がどうしてもあります。
上記が解決すれば再度利用するかもしれませんが、現段階では考えていません。
Bardは正確性が高く、最新の情報を参照する
一方、Bardは数週間使用してみて、情報の正確性が比較的高いと感じています。
しかし、公式ページに記載されている通り、不正確な情報も生成します。
英語での学習データが多いので、内容によっては英語で質問した方が質の高い回答が得られるかもしれません。
Bardは偏見を生むような質問には答えない傾向がある
Bardは、偏見を生むような質問には答えない傾向にあります。
Googleは、当初からユーザーの利便性を第一に考え検索エンジンを開発してきました。
そういった経験が生かされているのかもしれません。
もちろん偏見が全くないというわけではありませんが、慎重に回答を生成していると言えるでしょう。
Bardは情報に鮮度がある
また、Bardは最新の情報を検索エンジン(Google)から参照しているため、情報に鮮度があります。
千葉にデータセンターを開設したこともあってか、レスポンスも早いです。
Chat GPTは有料版で機能に差があるが、Bardは無料で使える
さらに、Bardは無料で利用可能で、有料版もありません。
デメリットは英語から日本語に翻訳が必要なことでしたが、2023年5月10日(米国時間)から日本語に対応しました。
まとめ:どちらを使う場合も検索エンジンの併用をおすすめ
最終的に、どちらも誤った情報を生成する可能性があるため、信頼性を求める場合は、検索エンジンを併用した方がよいでしょう。
生成AIの文章をそのまま受け取るのではなく、信頼できる情報源と照らし合わせ、確認しようとする姿勢が重要です。
- 2023年2月17日:一部表記を修正
- Chat GPT搭載AI:GPT-3.5 → GPT-3.5を基に構築
- Bard情報の正確性を◯から?に訂正
- 2023年8月15日:一部修正、情報を更新
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